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『インセプション』 ディカプリオの、底抜け夢泥棒と7人の仲間達

NHKドラマクラウンの壷』や押井守の『アヴァロン』、ターセム・シンの『ザ・セル』、仮想現実ものや夢に入り込む話はいい加減ネタが尽きた感があり、何が現実かわからなくなるという流れでは更に既視感がある。またその「何が現実かわからない」という問いはノーランのメジャー第二作目『メメント』で、彼自身の決着を付けているので改めてそのような問いを出されても、やはりあまり新しいという感じはしない。しかし前作『ダークナイト』がそうであったように、何かしらの問いを観客に投げかけつつも、その映画の質量がジョーカー演じるヒース・レジャーやCGを極力使わない圧倒的な映像によって高まっていたのと同様、この『インセプション』も、彼の監督としての、映像を作る手腕によって作品が高められていると言っても過言ではない。だからこそ、なぜ夢に人が入る事が可能なのかというプロセスが省かれ、ディカプリオ演じる夢泥棒の過去が台詞で簡単に説明されているのではないだろうか。そこはノーランにとって重要ではなかったのだ。

『ダークナイト』ではノーランは病院を丸ごと一棟爆破させた。今作では崩壊する夢世界を表現するため、パリの町で空気爆発を使用して物を吹き飛ばし、無重力での戦いをCG抜きで撮影するため、専用のトレーラーの中にセットを組んだ。どこがCGか分からないというレベルではなく、どこもCGではなかったのだ。夢というアンリアルを描くため、徹底してリアリティにこだわった彼の手法によって、観客は登場人物同様、何が現実で何が夢であるかという錯覚に陥ったのではないだろうか?

しかしそんなノーランのリアルへのこだわりが、ちょっとした不幸が生んでいる。

「退屈して寝ちゃったよ(笑)。いい加減さ、ああいう風にCGばっかり使う映画にも飽きちゃったよな」(40代警備業)

……きょうび、あまり映画に慣れていない人からすると、リアル過ぎる映像はCGだと勘違いされてしまうようだ。

http://www.youtube.com/watch?v=ZfDm3s_IcqM


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