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『悪人』 俺が上京して出会ったビッチは大体福岡出身

「俺に代われ妻夫木!俺が殺す! よっしゃ!やったぜ!くたばりやがったこの糞ビッチめ!心配すんな目撃者なんていないんだ、さっさと崖から落としてLet's I☆N☆ME☆TU!糞なだけに結構早く腐葉土になるかもしれないぜwww」
隣に妹がいなかったらそう叫んでしまいそうな程に、妻夫木聡が満島ひかりを絞め殺そうとしたシーンは爽快だった。というよりも満島のビッチっぷりが輝いていた。きっと劇場では観客の殆どが彼女の死を願ったのではないだろうか。確かに存在するのだ。満島が演じたような、法も道徳も破ってはいないが、何らかの形で悲劇に見舞われてほしいと周囲が願うような女が。勿論深津絵里の演技もモントリオール世界映画祭最優秀女優賞を受賞するだけのことはあった。どう考えたってこんな美人が福岡の片田舎から出ようともせずに地元でパートだなんで有り得ないのだが、彼女はその演技力で見事に土地に縛られ鬱屈した女のオーラを身に纏うことに成功したのだから。それ以外にもどこか見覚えのある、ただそういるだけで何らかの不幸を予期させるような田舎の老婆を演じた樹木希林、そして満島の父の含蓄オヤジを演じた柄本明は、彼の深い悲しみを含んだ演技で、あれ程観客に憎まれていた満島のイメージを刷新する程だった。物語が進むにつれ、観客は満島の不幸を願ってしまった自分に気まずい思いをし、悪人とはなんだろうと問わずにはいられなかった筈だ。
加えて、カメラが切り取った閑散と鬱屈した福岡の風景によって、観客は各々が何らかの悲しみを背負っていることを、そして最後に妻夫木と深津が逃避行の先に逃げ込んだ灯台の、世界の果てであるかのような風景で、彼らに逃げ場がもうないのだということを映像で理解するのである。
演技と映像で観客を魅せた久々の王道邦画。観客動員数と数々の賞に恵まれ、映画にとっては勿論、日本映画界にとっても幸福な作品だったのではないだろうか。


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