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『つみきのいえ』 語ってしまうのも野暮ですが

現存する国家の幾つかの枠組みが融解し、言語が今とは違う意味を持つだろう200年後、しかしその200年後の人類がこのアニメを観て感涙する。2009年度アカデミー賞短編アニメ部門を日本映画で初めて受賞したこの『つみきの家』は、きっとそんな映画ではないだろうか。
物語は恐らく未来の地球、水位が上昇し続け人々が自分達で家を積み木のように重ねながら生活する世界で、一人の老人がパイプを水底の床下に落としてしまう。老人はパイプを拾うために潜水服を着込み積み重ねられた自宅の下へ下へと潜っていくのだが、それは単なる潜水ではなく、一人の人生を振り返る旅であった。老人が潜りながら浸水してしまった自宅の部屋の数々を見ながら思い出される風景は、時代、人種を問わず普遍的に私達の琴線に触れるものだろう。この、たかだか20分の作品に人の全てがあるとさえ思える。地球環境が激変し国家という大きな物語が崩壊したその後、それでも尚も残る最も人にとって価値のあるもの、ほんの20分の作品にそれが描かれているのである。
やさしい鉛筆のタッチとささやかなピアノの旋律、しかし目と耳には雄弁な20分だ。決して時間をとるわけではないので、機会があれば是非観ていただきたい作品である。





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コメント 2

まきき

こんな内容だと初めて知りました。
見てみたいと思います。

by まきき (2011-09-09 08:29) 

speckled_monkey

>まきき
あまりにも語らない映画なので、受け止めかたがかなり幅広い映画です。日本語吹き替え版には何故かナレーションが入ってますが、初回はナレーション抜きで観ることをお勧めします。
by speckled_monkey (2011-09-09 08:50) 

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