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『リンカーン/秘密の書』まぁ、杞憂だろうけど

 脚本家の沼田やすひろ氏によると、おもしろい映画の構造は13要素の黄金率に分類されるらしい。ラジオで聞き流していただけなので詳細はとれなかったが、日常→それを乱す事件→それを何とかしよう決意する→しかしピンチに陥る→そこを仲間と乗り越える→成長したり新しいやり方を始める→再びピンチが訪れる→それを仲間抜きで乗り越える→解決(結局9しか覚えてないけど)というもので、そのフェイズがさらに細かく13フェイズに分かれているのだとか。
 そしてこの『リンカーン/秘密の書』はこの黄金率が実によく当てはめられていた作品だった。第16代合衆国大統領エイブラハム・リンカーンが、実はヴァンパイアハンターだったという、もっとも尊敬されている米大統領だからって祭り上げりゃあいいってもんじゃないだろという劇場予告へのツッコミはどこ吹く風、「おいしいもの」×「おいしいもの」=「とてもおいしいもの」というクソ安易な発想が、この黄金率に組み込まれることによって優等生的エンターテイメントにうまくまとめ挙げられているのである。おそらくこの法則に当てはめれば、ヒトラーが復活したのでオバマが各国の首脳と星条旗の元に集って銃を手に取り戦う、といった無茶ぶり設定であってもある程度観られるものにはなるのではないだろうか。また『ウォンテッド』で監督としてハリウッドデビューしたティムール・ベクマンベトフの創り出すアクションシーンもこの作品の特筆すべきところだろう。彼の撮るマーシャルアーツは、一時流行ったカンフームーブと違い、無国籍風でかつアニメやマンガ臭くもなく、どんな映画に組み込んでも作品を引き立てるのではと思わせるような、優れた調味料の役割を果たしているのである。
 ストーリーや演出など全く隙のないこの作品だが、しかし鑑賞し終えた後に一つの不安がよぎってしまった。確かに最近のハリウッド映画は完成されている。しかし、この成熟は次には何の進化に繋がるのだろうか。映画というものが、完成という行き詰まりに直面しつつあるような気がしてしかたがなかった。
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